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第4章~第8章 牧港補給地区跡地利用基本計画(平成24年度) | 浦添市

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(1)

第4章.

概略設計

4−1.骨格案の検討

1)

骨格道路の検討

市全体の道路体系との整合性や、

本地区の土地利用計画に留意し、

「牧港補給地区跡地利用

基本計画策定基礎調査業務報告書(平成

23

3

月)

」による道路の分類や機能、将来交通

量推計結果に基づき、以下のとおり骨格道路の幾何構造を設定するとともに、地形条件等を

踏まえて線形を検討した。

なお、幹線道路 1 号(浦添都市軸)については、将来の鉄軌道を含む新たな公共交通導入

の可能性も加味し、幅員を 40m で設定した。

図表

H42 交通量推計結果

道路名

交通量(台/日)

幹線道路1号

11,200∼15,400

幹線道路2号

11,800∼12,800

幹線道路3・4号

6,300∼12,900

幹線道路5号

4,700∼10,400

補助幹線道路1号

400∼1,200

補助幹線道路2号

1,100

補助幹線道路3号

3,800

補助幹線道路4号

1,000∼1,300

補助幹線道路5号

500∼3,300

補助幹線道路6号

300

(2)
(3)
(4)

図表

骨格道路の線形コントロール条件

急勾配区間

急勾配区間

急勾配区間

急勾配区間

交差点間 280m

交差点間 280m

現況交差点

現況交差点

現況交差点

現況交差点

下水道施設

地区外民間施設

現況交差点

現況交差点

計画済交差点

(5)

2)

主要な公園緑地の検討

第 2 章における園緑地の検討結果に基づき、

基本計画の各コンセプトにおける公園緑地の

配置方針を以下に示す。

「発展・交流のまちづくり」の視点に基づく主要な公園緑地の配置方針

発展・交流のまちづくりの視点では、各拠点における滞留空間としての公園緑地を配置

するとともに、産業振興地区においては、来訪者等の人の動線確保と交流促進のため、に

ぎわい・交流軸に沿った帯状公園を配置する。

帯状公園の配置パターンとしては、次頁のように車道の中央や外側両面、外側片面、及

び中央で公園と車道の間に宅地を挟む場合の 4 パターンが考えられ、

沿道の土地利用やに

ぎわい・交流の促進効果、周辺施設へのアクセスや連携等を考慮して配置することが必要

であるが、

海の交流拠点における公園緑地や文化交流拠点における公園緑地とのアクセス、

さらに、西海岸地域を含めた広域からの来訪者の回遊性向上を考慮すると、B

案に基づき

にぎわい・交流軸の西側に帯状公園を配置することが望ましい。

(6)

にぎわい・交流軸に沿った帯状公園の配置パターン

<A 案>

<B 案>

<C 案>

<D 案>

(7)

「防災のまちづくり」の視点に基づく主要な公園緑地の配置方針

防災のまちづくりの視点では、海の交流拠点において多重防御の一つとしての機能を担

う公園緑地を配置し、防潮林を整備する、また、避難路・避難地としての機能を担う公園

緑地として、高台部一帯に一次避難地となる公園緑地を配置する。

さらに、浦添都市軸は「沖縄県緊急輸送道路ネットワーク計画」において第2次緊急輸

送道路として位置づけられており、災害からの復旧・復興活動の動線確保のうえで重要な

役割を担うことから、災害後の復旧・復興活動の支援拠点としての機能を担う公園緑地を

浦添都市軸上に配置することが望まれる。

図表

「防災のまちづくり」の視点に基づく公園緑地の配置方針図

「自然環境に配慮したまちづくり」の視点に基づく主要な公園緑地の配置方針

自然環境に配慮したまちづくりの視点では、地区内に残された既存の緑地や自然環境を

保全・活用し、緑のネットワークを形成するよう公園緑地を配置することが望ましい。

これを踏まえ、海の交流拠点や斜面地部分に残る既存の植生等を保全活用した公園緑地

を配置するとともに、西海岸地域の公園緑地計画との整合性に留意した公園緑地を配置す

る。さらに、地区南側の小湾川沿いの緑地や地区北側の既存緑地との連続性を考慮し、斜

面地部分一体に公園緑地を配置して緑のネットワークを形成する。

(8)
(9)

基本計画における主要な公園緑地の配置

基本計画では、

「発展・交流」

「防災」

「自然環境」の

3

つのコンセプトの

1 つに特化す

るのではなく、

「発展・交流」を重視しつつ、

「防災」や「自然環境」にも留意したまちづ

くりを推進するため、以下のとおり主要な公園緑地を配置する。

・海の交流拠点における公園緑地(約 17.2ha)

:健康・医療産業地区や西海岸地区のビーチリゾートと一体となって、自然とのふれあ

いや健康、レジャー等をテーマとした交流の促進を図る空間としての公園緑地(当該

公園は海岸に面することから、

津波

高潮災害等に対する多重防御機能の役割も担う。

また、地区外のカーミージー地区との連携も図る。

・複合交流拠点における公園緑地(約 0.5ha)

:東西及び南北のにぎわい・交流軸の交差部において、地区内を回遊する人々だけでな

く、沖縄西海岸道路や公共交通等を通じた広域からの来訪者も含めた人々のにぎわい

や交流の促進を図る空間としての公園緑地

・文化交流拠点における公園緑地(約 4.6ha)

:国立劇場おきなわと連携した、主として文化を通じた交流の促進を図る空間としての

公園緑地

・暮らしの交流拠点における公園緑地(約 0.4ha)

:計画されている交通広場と一体となって、人々の滞留や交流の促進を図る空間として

の公園緑地

・南北のにぎわい・交流軸に沿った公園緑地(約 4.0ha)

:3

つの産業地区を繋ぎ、来訪者が安全・快適に回遊、休憩することができ、さらにイ

ベント等による交流の促進を図る空間としての帯状の公園緑地(なお、帯状公園は、

産業振興地区における沿道の効率的な土地利用に留意し、道路の中央部に配置する。

・避難路・避難地としての機能を担う公園緑地(合計約 19.6ha)

:高台部と低地部の境界部分(高台端部)には、災害時の一次避難地や避難路となる空

間としての公園緑地を配置するとともに、園内には低地部から高台部への避難路を確

保する。

・既存の緑の保全・活用に留意した公園緑地

(10)
(11)

3) 主要な排水路の検討

「牧港補給地区跡地利用基本計画策定基礎調査業務報告書(平成

23

3

月)

」による基

本条件の確認を行い、街区や幹線・支線道路、公園・緑地等の配置条件に整合した検討を行

う。

周辺の下水道条件

本地区の雨水排水・汚水排水は、

「浦添市流域関連公共下水道事業計画」

の対象地域内で

あり、この計画の中で処理の基本計画が示されている。

地区周辺の幹線排水路・流域

汚水排水計画は、

「那覇処理区」にあり、<埠頭第1汚水排水幹線>に流下する。

雨水排水計画については、

「小湾川排水区」にあり、<小湾川>に流下する。

ただし、現況は大小多数の排水路により、直接海域に流下している。

排水計画の基本事項

排水計画にあたって、汚水排水及び幹線雨水排水は、公共下水道事業として整備を行う

ものとして、支線検討は主に基礎調査時の流域や排水ルートなど、排水処理施設計画の確

認を行うものとする。

(12)

4−2.支線案の検討

1) 支線道路の検討

骨格(幹線)道路、骨格施設との接続や連続性、及び土地利用計画との整合を図り、支線道

路の検討を行う。

支線道路の配置条件

基本計画を基に、支線道路はその配置するエリアや土地利用形態によって、また、地区

全体の交通処理について骨格道路を補完できるように配置するものとする。

以下に、必要な支線の種類とその役割について示す。

また、次頁にその道路の基本幾何構造等について示す。

・主要区画道路

<住宅地区>

発生集中交通を円滑に補助幹線道路に導くとともに、歩行者等の安全な通行を確保す

る。

<産業振興地区><商業業務地区>

にぎわい空間としての機能を考慮し、歩行者等の交通量に応じた歩道幅員を確保する

とともに、植樹帯を確保した断面構成とする。

・区画道路

住宅地区内において、通過交通の進入抑制や走行速度の抑制を図るため、T

字交差の

を基本パターンとして配置するものとする。

・特殊道路

(13)
(14)
(15)
(16)

2) 造成計画の検討

土地利用計画、道路計画、排水計画のほか、残すべき緑地等との整合を図り、地区の宅地

造成設計を行った。

造成基本方針の決定

宅地造成は周辺の道路より低くならないようにするものとし、接道する道路より

0.1m

∼0.5m 程度となるように造成高さを決定する。

造成土量の算定

造成基本方針に従い、事業収支を検討するために、地区の造成土量の算定を行う。

造成土量は下図に示す地区の断面毎に造成断面を設定し、切土・盛土を平均断面法で算

出する。

造成計画高図(造成断面位置)

土量算定結果

本地区全体としての造成土量の算出結果は、

盛土約 263 万

切土約 100 万

となり、

土量収支は約 163 万

(盛土の圧密量約 1 割を加味すると 192 万

の不足土となる。

(17)

土地区画整理事業の実施により、宅地としての有効な土地利用を図るため、比較的平坦で

道路計画高よりも高い宅盤高を設定する必要があることから盛土量が多くなっている。

(18)

3) 排水施設の検討

事業収支を検討するため、地区の排水施設の設計を行う。

下水道計画諸元

「浦添市流域関連公共下水道事業計画」に従い、以下のように条件を設定したうえで雨

水排水計画を行う。

○計画雨水排水量の算定

合理式による。

Q=

1/360×C×I×A

ここに、Q:

最大計画雨水流出量(m

3

/sec)

C:

流出係数(公共下水道計画より)

0.55(小湾川排水区)

I:

降雨強度 (mm/hr)

:10 年確率

(下水道認可申請書より)

I=

8836/(t + 50)

t=t1(流入時間)+t2(流下時間)

□流入時間

(公共下水道計画より)

t1=7min

□流下時間

(公共下水道計画より)

t2=L/(V・60)=

L/(3.0×60)

○計画断面の算定

計画断面の算定はマニングの公式による。

V=1/n×R

2/3

×I

1/2

Q=

A×V

ここに、V:

流速

(m/sec)

(V=0.8∼3.0m/sec)

n:

粗度係数

現場打ち水路

・・・・・・・

0.015

ヒューム管

・・・・・・・

0.013

ボックスカルバート

・・・・・・・

0.013

塩ビ管

・・・・・・・

0.010

I:

勾配

R:

径深

(m) =A/P

P:

流水の潤辺長

(m)

Q:

許容流量

(m3/sec)

A:

通水断面積 (m2)

(19)

○流速及び勾配

流速は一般に下流に行くに従い漸増させ、勾配は下流に行くに従い次第に緩くなるよう

に計画する。

流速は最小 0.8m/sec、最大 3.0m/sec とする。

○管渠の決定

計画雨水管渠は、上記諸元による排水計算により決定するものとする。

ただし、計算は主要管渠のみとし、その他の枝線等については、他地区実績・事例を基

に面積按分により推計する。

また、

「下水道事業の手引(平成

24

国土交通省監修)

」に基づき、管径

600

以下

の管渠は土地区画整理事業として整備し、管径

600

を超える管渠については下水道事業

として整備するものとする。

○マンホール間隔と種類

マンホールは、管渠、函渠の起点及び勾配、管渠径などの変化する箇所、段差の生ずる

箇所、

管渠の会合する箇所並びに維持管理のうえで必要な箇所に設け、

その最大間隔は

「下

水道施設設計指針と解説」において、次表と定められている。

マンホール設置間隔

管渠径(mm)

300 以下

600 以下

1,000 以下

1,500 以下

1,650 以下

最大間隔(m)

50

75

100

150

200

当計画においては、以下に示す間隔で設置個数を求める。

管渠径(mm)

600 以下

700 以上

間隔(m)

75

100

マンホールの種類は次表により設定する。

マンホール種別

呼び名

形状寸法

設置条件

1号マンホール

円形

内径 90cm

内径 600mm 以下

3 号マンホール

円形

内径 150cm

内径 900mm 以下

特殊マンホール

矩形

内径 180cm 以上

上記以外

(20)

雨水排水流域と幹線排水路計画の確認

「牧港補給地区跡地利用基本計画策定基礎調査業務報告書(平成

23

3

月)

」による

概略幹線路計画について、道路支線と主要施設配置計画に伴う流下流域の変更について確

認を行い、幹線排水路の流量計算によりその流下能力について確認を行った。

過年度検討の流域と排水ルート

(21)

4) 街区公園の検討

事業収支を検討するため、街区公園をはじめとする住区基幹公園の設計を行った。

公園配置計画

街区公園は、主に子供たちの遊技、運動のための機能を有するとともに、地域住民のコ

ミュニケーション

憩いの場として、

幹線道路に囲まれる住区を基本単位として配置する。

配置位置は、他の公園・緑地を含め、

「都市計画マニュアルⅠ【都市施設・公園緑地編】

に従い、誘致距離

250m

を基本として、地区内に公園緑地が不足する箇所が無いように

留意して配置する。

また、街区公園は、自転車歩行者の休憩施設としても利用できるように、自転車歩行者

路の動線位置に配置することとする。

街区公園面積規模

街区公園の面積規模は、

「都市計画マニュアルⅠ【都市施設・公園緑地編】

」に従い、1

箇所の標準面積 0.25ha(2,500 ㎡)を基本として配置することとする。

街区公園施設

(22)
(23)

第5章.

事業化に向けた各種手法の検討

5−1.事業実行可能性の検討

土 地 区 画 整 理 事 業 を 前 提 と し た 本 地 区 の ま ち づ く り に お い て は 、 組 合 ま た は 公 共 団 体

(市)による施行を想定する。ただ し、 合意形成や事業計画段階において、地権者意向等

を踏まえて適切な施行者を選定する。

事業区域は、本地区全体(約

274ha)での区域を想定するが、基地跡地の返還時期及び

返還方法、地権者の合意形成状況等を踏まえ、今後適切な区域設定を検討する。

本地区は、平成 18 年に返還が合意された嘉手納以南の 6 施設の中で、普天間飛行場、キ

ャンプ瑞慶覧に次ぐ大規模(274ha)

な駐留軍用地跡地である。また、空港への近接など立

地条件に恵まれ、自然海岸や斜面緑地など豊富な地域資源を有していることから、本地区の

一体的な整備により、これらを活かした効率的な跡地利用の推進が求められている。

平成 24 年 3 月に改正された

「沖縄県における駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の推

進に関する特別措置法」では、基準日の前日までに土地区画整理事業に係る事業認可等がな

された場合は、

『特定給付金の支給の限度となる期間は、

土地の使用又は収益が可能となると

見込まれる時期を勘案して政令で定める期間』とされており、土地区画整理事業の実施は、

個別に跡地利用を行う場合に比べ、一体的な都市基盤整備による市街地環境の向上のみなら

ず、地権者の生活再建の面でもメリットがある。

そのため、今後の基本計画の実現に向けては、整備手法として土地区画整理事業を前提と

し、土地区画整理事業の実行可能性について検討する。

1)

施行主体による事業実行可能性

土地区画整理事業の施行者は、土地区画整理法において

「個人」

「組合」

「株式会社」

「公共団体等(国、県、市町村、都市機構)

」が定められている。

本地区においては、地区面積が

274ha

と大規模であり事業費が膨大になると予想される

こと、また、地権者が約 2,400 人(H25.1 月現在)と多く、合意形成の難易度(全員同意

は困難)や事業遂行能力等を勘案すると、施行者としては組合または公共団体等が想定され

る。

ただし、実際の施行者の選定にあたっては、今後事業化に向けた検討や合意形成の段階に

おいて、地権者意向など地区の特性に応じて円滑な事業実施のために適切な施行者を検討す

る必要がある。

(24)

図表

施行者による事業の特徴(個人、組合)

個人

組合

施行者

地権 者または 地権者 の 同意 を 得た

者が 、1人ま たは数 人 共同 し て施

行(法第 3 条第 1 項)

7人 以上の地 権者に よ る組 合 によ

り施行(法第 3 条第 2 項)

事業認可条件

(同意率等)

規準・規約及び事業計画について、

地権者等全員の同意が必要

(法第 8

条)

定款 及び事業 計画に つ いて 、 地権

者 の 3 分 の 2 以 上 の 同 意 が 必 要

(法第 18 条)

※ 沖縄 県 では 、運 用上

90%以 上の 同

意率取得を指導している

反対地権者

の扱い

事業 に同意し ない地 権 者等 の 土地

は、 施行地区 に含む こ とが で きな

い。

事業 に同意し ない地 権 者の 土 地も

施行地区に含むことが可能。

組織設立の

手続き

設立に際しての手続きは不要。

組 合 設立 認可 発 起人( 7人以 上の

地権 者)を選 定し、 組 合設 立 の手

続が必要。

事業の

進め方

全員の同意により事業を進める。

総 会 の議 決( 組 合員の 過半数 の出

席で 成立し、 出席者 の 過半 数 の賛

成で議決)により事業を進める。

地権者の

権利・義務

地権 者は、共 同施行 者 とな り 事業

リス クを負担 するか 、 同意 施 行者

に事 業に関す る同意 を 与え た 地権

者となる。

地権 者全員が 組合員 と なり 、 同等

の権利・義務を負う。

補助制度等

組合等区画整理補助事業

:都 市計画事 業、面 積 要件 、 総事

業 費 に 占め る補 助 事 業費 の 割合

等の要件に適合すること。

都市再生区画整理事業

:3 人以上の 共同施 行 の場 合 、要

件 に 適 合す れば 可 能 。市 に よる

都市再生整備計画策定が必要。

組合等区画整理補助事業

:都 市計画事 業、面 積 要件 、 総事

業 費 に 占め る補 助 事 業費 の 割合

等の要件に適合すること。

都市再生区画整理事業

:要 件への適 合が必 要 。市 に よる

都市再生整備計画策定が必要。

公共施設管理者負担金

一括交付金

など

その他

事業 を推進す るうえ で は、 常 に全

員の同意が必要となる。

土地 区画整理 事業の 実 施を 目 的と

した 組織であ るため 、 他の 事 業は

実施不可能。

(25)

図表

施行者による事業の特徴(株式会社、公共団体等)

株式会社

公共団体等

施行者

地権者が出資者となる株式会社に

より施行(法第 3 条第 3 項)

公共団体等が自ら施行(法第 3 条

第 4 項、第 5 項)

事業の認可条件

(同意率等)

規準及び事業計画について、地権

者 の 3 分 の 2 以 上 の 同 意 が 必 要

(法第 51 条の 6)

公共性の高い事業であるため、同

意率の要件はなし。

反対地権者

の扱い

事業に同意しない地権者の土地も

施 行 地 区 に 取 り 込 む こ と が で き

る。

事業に同意しない地権者の土地も

施 行 地 区 に 取 り 込 む こ と が で き

る。

手続き

株式会社設立の手続きが必要。

事 業 の 都 市 計 画 決 定 す る と と も

に、事業計画及び施行規程の決定

が必要。

事業の

進め方

基本的に株主総会・取締役会で決

するが、重要事項は地権者の3分

の2以上の同意が必要。

基本的に公共団体等が進めるが、

必要な事項については、地権者の

代表からなる審議会の同意または

意見を聴くことが必要。

地権者の

権利・義務

地権者は、会社への出資者として

出資の範囲内で事業リスクを負担

するか、出資者にならず事業リス

クを負担しないか、選択できる。

地権者全員が同等の権利・義務を

負う。

補助制度等

原則として組合施行と同様。

公共団体等区画整理補助事業

:面積要件、補助基本額等の要件

に適合すること。

都市再生区画整理事業

:要件への適合が必要。都市再生

整備計画策定が必要。

公共施設管理者負担金

一括交付金

など

その他

同一の会社により区画整理の施行

から土地活用まで一貫して実施す

ることが可能だが、地権者からの

出資が必要となる。

(26)

図表

施行者による土地区画整理事業の流れ

地権者の意向把握

施行区域の検討

事業計画・施行者の検討

関係機関協議

関係権利者の

合意形成

会社設立

※会社施行

の場合

※公共団体等

施行の場合

※個人施行、組合施行の場合

組合設立認可、

事業認可

個人施行による

事業の実施

事業認可

関係機関協議

関係機関協議

事業認可

事業決定

組合施行による

事業の実施

会社施行による

事業の実施

公共団体施行

による事業実施

関係権利者の

同意取得

関係権利者の

同意取得

※個人施行

の場合

(27)

2)

区域設定による事業実行可能性

本地区の跡地利用については、「第 1 章.基本計画策定にあたっての前提条件の整理」に

もあるとおり、牧港補給地区の一括返還を前提として、地区全体(約

274ha)での区域設

定を想定している。

一般的に、区域設定による事業実行可能性等の違いは以下のように整理され、それぞれの

場合でメリット及びデメリットがある。

地区全体での区域設定の場合、まちづくりのコンセプトに基づき、一貫性のある市街地整

備が可能となるが、地権者が多いため合意形成は容易ではなく、事業化に向けて長期間を要

する可能性もある。また、事業費も膨大となり、市の財政負担や事業期間の面では課題があ

る。

一方、基地跡地が部分返還となる場合や、地区全体での合意形成が困難な場合など、本地

区を複数に区分して事業を実施することも想定される。しかし、その場合は、地区全体とし

てのまちづくりの一貫性の確保や、地権者負担面での公平性の確保等に課題がある。

そのため、本地区の事業化に向けては、基地跡地の返還時期や返還方法、地権者の合意形

成の状況や事業の採算性(財政負担)等を踏まえ、今後適切な区域設定を検討する必要があ

る。

図表

区域設定による事業実行可能性

一体設定

(地区全体)

区分設定

(分割・段階的)

基地返還パターン

一括返還

一括返還又は部分返還

まちづくり

の一貫性

地区全体としてのまちづくりの

コンセプトに基づき、一貫性の

あるまちづくりが実現可能

事業実施時期がずれる場合、社

会経済情勢等の変化により、ま

ちづくりの一貫性が損なわれる

可能性がある

地権者の意識や

合意形成

地権者数が多くなるため、事業

化に向けた合意形成が容易では

ない

一体の事業とすることで地権者

の負担面での公平性が確保され

地権者数が減るため、事業化に

向けた合意形成は一体に比べて

図りやすい

実施時期が遅れる地区では、地

権者の高齢化もあり、事業への

意識が低下する

事業ごとで負担の差が生じるこ

とも想定され、不公平感がある

事業費

総事業費が膨大となり、市の財

政負担が厳しくなることが予想

される

個々の事業でみれば、一体的な

整備と比べて事業費は抑えられ

事業期間

事業規模が大きいため、長期間

を要することが予想される

個々の事業は一体での施行に比

べて短期間で実施可能

(28)

5−2.事業成立性向上に向けた導入方策

地 権者 の負 担軽 減及 び合 意形 成 の 促進を 図 るため 、 市の 財政 状況 や 沖縄振 興 一 括交

付金等の活用可能性を踏まえ、今後必要に応じて駐留軍用地内の土地の先行取得につ

いて検討する。

官民連 携により施 行後の公共 施設機能を民 間敷地で創出 する方策につ いて、産業振興

地区における企業進出の可能性の向上等も含めて検討する。

民間資 金を活用 して事業初動 期等の財源確 保を図る方策に つ いて、 今後導入に 向けた

可能性の検討を行う。

本地区は、

「人・海・文化を活かした国際的エンターテイメント都市」をまちづくりのテ

ーマとして、本市の経済をけん引する産業導入を図るための産業振興地区を形成するとと

もに、自然環境と経済発展の両立に留意し、安全・安心に暮らせるまちづくりを目指すこ

ととしている。また、中南部都市圏駐留軍用地跡地利用広域構想との整合を図り、地区面

積の 20%程度の公園緑地の確保を目指すこととしている。

しかし、これは通常の土地区画整理事業の場合(土地区画整理法では、地区面積の

3%

または計画人口 1 人あたり 3 ㎡以上の確保が必要)

と比べて高い基準であり、

駐留軍用地

9

割以上が民有地となっている本地区では、公共減歩による地権者への過度な負担は、

合意形成を困難にする要因の一つとして懸念される。また、膨大な公共施設の整備は、市

にとっても財源確保の面で課題となる。

そこで、本地区の事業成立性の向上を図るため、行政による公共用地の先行取得につい

て検討するとともに、民間敷地による施行後の公共施設機能確保と事業初動期における財

源確保の視点から、官民連携手法の導入可能性について検討する。なお、官民連携に際し

ては、産業振興地区における民間企業進出の可能性を向上させるための方策も合わせて検

討することが必要である。

1)

公共用地の先行取得の程度による事業実行可能性

駐留軍用地内における土地の先行取得

土地区画整理事業の事業フレームは、通常、公共施設の整備費や補償費、移転・移設費

等といった事業費

(支出)

を、保留地処分金と公的資金

(市の財源及び国や県の補助金等)

により収入を確保することで事業が成立する仕組みとなっている。

しか し、土地 区画整理 事業を地 権者の 立場から みると、 施行前 後の公共 用地面積 の差

(公共減歩)と、事業の収入に充てるために処分する保留地面積(保留地減歩)が地権者

の負担となり、整備する公共用地の面積が多くなるほど、事業費が膨大になるほど、地権

者の減歩負担は増加するため、合意形成の難易度が増すことになる。

(29)

ある。」との視点に立ち、最優先に確保すべき用地を「公園・緑地」としている。

本地区の基本計画は、中南部都市圏駐留軍用地跡地利用広域構想との整合も図り、基地

跡地に残された貴重な緑地の保全と新たな緑地の創出により、地区面積の約

20%程度の

公園緑地を確保することを目指している。

一方で、土地区画整理事業で確保すべき公園の規模は、土地区画整理法施行規則におい

て「公園の面積の合計が施行地区内に居住することとなる人口について一人当り3㎡以上

であり、かつ施行地区の面積の3%以上となるように定めなければならない。」と規定さ

れている。そのため、本地区の公共減歩は、一般的な土地区画整理事業よりも高くなって

いることから、地権者の負担軽減を図る方策が必要である。

公共減歩を減少させるためには、施行前の公共用地面積を増加させる方法と、施行後の

公共用地面積を減少させる方法の 2 通りがあるが、施行後の整備水準を確保したうえで公

共減歩を減少させるためには、施行前の公共用地面積を増加させる方策が有効である。

施行前の公共用地面積を増加させるための手法としては、「公共用地に充てるための施

行前の土地の先行取得」がある。

「沖縄県における駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の推進に関する特別措置法(平

成 24 年 3 月 30 日改正

通称「跡地用特措法」

」では、「駐留軍用地内の土地の先行取

得制度」が創設されており、これにより返還前の土地の先行取得が可能となった。

また、現在沖縄県では、駐留軍用地内の土地の先行取得に際して、沖縄振興一括交付金

を充てることを検討しており、「本件に関しては国も容認の意向を示している(平成

24

年 3 月 28 日付け琉球新報の記事より)

」とのことである。

土地の先行取得に際して沖縄振興一括交付金の充当が可能となれば、市の財政負担面で

大きく改善が図られることとなるため、その実現が望まれる。

土地の先行取得の程度による事業実行可能性

土地を先行取得した場合の事業の実行可能性について、以下のとおり整理する。

基本計画における施行前後の土地の面積の内訳は以下のとおりであり、公共減歩は、施

行前後における公共用地面積の増加分を施行前の宅地面積で除して求められる。

図表

基本計画における施行前後の土地の面積

区分

施行前(ha)

施行後(ha)

増減(ha)

公共用地

道路

13

59

公園緑地

0

55

公共用地計

13

114

101

宅地(保留地含む)

宅地計

261

160

地区全体

274

274

(30)

ここで、地区面積の

3%を超える公園面積に相当する土地の先行取得を実施すると想定

すると、先行取得後の施行前後の土地の面積の内訳は以下のとおりであり、公共減歩は約

28.0%と、先行取得により公共減歩率は約 10%程度減少する試算となる。

図表

基本計画における施行前後の土地の面積(先行取得想定)

区分

施行前(ha)

施行後(ha)

増減(ha)

公共用地

道路

13

59

公園緑地

39

55

公共用地計

52

114

62

宅地(保留地含む)

宅地計

222

160

地区全体

274

274

公共減歩率=62ha÷222ha×100≒28%

ただし、ここでは、公共減歩率のみに着目して比較をしているが、実際の事業フレーム

では、先行取得前には、公的資金として公園の公共施設管理者負担金が収入として充てら

れて いる。し かし、公 園用地を 先行取得 する場 合には、取 得分の 公共施設管 理者負 担金

(用地費)が減少するため、不足する収入を保留地処分金で賄う必要が生じる。

(31)

2)

施行後の公共施設機能を民間敷地により創出する方策

想定される官民連携手法のスキーム

地権者の合意形成を促進し、早期の事業化と円滑な事業の推進を図るためには、施行後

公共用地の削減による公共減歩率の低減が効果的である。しかし、単に施行後公共用地を

削減することは、

基本計画のテーマに基づくまちの将来像の実現が困難となるだけでなく、

まちの魅力やグレードの低下にもつながることから、これらを維持しながら、地権者の負

担軽減に資する施行後公共用地の削減を図る方策の導入が求められる。

まちの魅力やグレードを維持しながら施行後の公共用地を削減するためには、次頁以降

に示すような、施行後の公共施設機能を民間敷地により創出する方策があり、民間事業者

等に対して開発アドバンテージの付与や各種支援等を行うことで、民間敷地により施行後

公共施設機能(公園緑地)を確保するスキームが想定される。

図表

民間敷地による施行後公共施設機能の創出

(公共減歩の低減イメージ)

民間敷地で確保することで

(32)

再開発等促進区を定める地区計画

再開発等促進区を定める地区計画とは、

地区計画の区域の全部または一部に、

「土地の合

理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進とを図るため、一体的かつ総合的な市街地の再

開発、

または開発整備を実施すべき区域

(再開発等促進区)

」を定める地区計画であり、従

来の再開発地区計画と住宅地高度利用地区計画を統合した地区計画として平成

14

年に創

設された。

本地区計画は、特に民有地を活用しながら公共的な空間を計画的に確保・整備していく

ことができる制度であり、再開発等促進区が定められた地域では、有効空地(公衆の用に

供する空地)を確保すること等により容積率や建ぺい率、高さ制限、斜線制限、用途制限

等の緩和が可能であり、効率的な再開発などを行うことが可能となる。

図表

都市計画法抜粋(再開発等促進区)

第二章

都市計画

第一節

都市計画の内容

(地区計画)

第十二条の五

地区計画は、建築物の建築形態、公共施設その他の施設の配置等からみて、一体

としてそれぞれの区域の特性にふさわしい態様を備えた良好な環境の各街区を整備し、開発し、及

び保全するための計画とし、次の各号のいずれかに該当する土地の区域について定めるものとす

る。

用途地域が定められている土地の区域

用途地域が定められていない土地の区域のうち次のいずれかに該当するもの

住宅市街地の開発その他建築物若しくはその敷地の整備に関する事業が行われる、又は行

われた土地の区域

建築物の建築又はその敷地の造成が無秩序に行われ、又は行われると見込まれる一定の

土地の区域で、公共施設の整備の状況、土地利用の動向等からみて不良な街区の環境が

形成されるおそれがあるもの

健全な住宅市街地における良好な居住環境その他優れた街区の環境が形成されている土

地の区域

地区計画については、前条第二項に定めるもののほか、都市計画に、第一号に掲げる事項を定

めるものとするとともに、第二号及び第三号に掲げる事項を定めるよう努めるものとする。

主として街区内の居住者等の利用に供される道路、公園その他の政令で定める施設(以下

「地区施設」という。)及び建築物等の整備並びに土地の利用に関する計画(以下「地区整備計

画」という。)

当該地区計画の目標

当該区域の整備、開発及び保全に関する方針

次に掲げる条件に該当する土地の区域における地区計画については、土地の合理的かつ健全な

高度利用と都市機能の増進とを図るため、一体的かつ総合的な市街地の再開発又は開発整備を

実施すべき区域(以下「再開発等促進区」という。)を都市計画に定めることができる。

現に土地の利用状況が著しく変化しつつあり、又は著しく変化することが確実であると見込ま

れる土地の区域であること。

土地の合理的かつ健全な高度利用を図るため、適正な配置及び規模の公共施設を整備する

必要がある土地の区域であること。

(33)

この制度の活用により、再開発等促進区を定める地区計画において一定規模のオープン

スペースの整備を担保したうえで、指定容積率の緩和等のアドバンテージを付与した土地

において、民間事業者が建築物整備と合わせて併せてオープンスペースを整備するといっ

た事業スキームが想定される。

当該スキームを活用した事例としては、東京都港区における防衛庁本庁舎跡地地区(通

称「東京ミッドタウン」

平成19年3月完成)があり、地区に隣接する都市計画公園と

の一体的なオープンスペースの整備を地区計画で定め、民間事業者が緩和された計画容積

率に基づき効率的な建築物整備とオープンスペースの整備を行い、都心部における快適性

の向上やまちの活性化への寄与等、まちづくりへに貢献している。

図表

再開発等促進区を定める地区計画を活用した開発事例(東京都港区)

出典:公有地等のまちづくり活用事例集 (国土交通省)

本地区においても、産業振興地区における各種産業機能の導入に際し、同様の事業スキ

ームの適用の可能性が考えられる。

都市再生特別地区における緑地保全等の環境貢献に応じた容積率緩和

国土交通省は、都市の国際競争力強化や新たな担い手によるまちづくりの促進を図るた

め、民間の活力や創意工夫を最大限活かす観点から、容積率に関する都市計画制度・運用

の見直しを行い、平成 22

9

月に「都市計画運用指針」を改正するとともに、同年

11

月には「地域の創意工夫による容積率特例制度の活用について」を地方公共団体に通知し

ている。

(34)

図表

同一都市計画区域内での公共貢献等による容積率緩和のイメージ

図表

都市計画運用指針抜粋(都市再生特別地区)

本地区においても、産業振興地区における各種産業機能の導入に際し、同様の事業スキ

ームの適用の可能性が考えられる。

D.地域地区(法第人条関連)

9.都市再生特別地区

(2)基本的な考え方'

∼中略∼

その際、当該市開発事業とあわせて当該都市再生特別地区の区域外の土地の区域において

幅広い環境貢献の取組(緑地の保全・創出、歴史的建造物等の保存・活用、親水空間の整備、必

要な都市機能の整備・筥理等の都市全体からみた都市の魅力の向上等に資する取組)を民間事

者が行なう場合にあっては、これを極的に評価することも考えられる

∼中略∼

(3)配慮すべき事項

①∼④略

⑤運用の基本的な方針や評価の対象となる取組の具体の対象やその考え方等を明示した場合にお

いても、都市の魅力の向上等に資することが見込まれるその他の民間事業者の創意工夫につい

て、幅広い提案内容を積極的に検討すべきである。

⑥幅広い環境貢献の取組の評価に当たっては、環境貢献が同一都市計画区域内におけるものであ

るなど都市計画決定権者が的確に対応することが可能な浄囲のものであること、また、当該環境

貢献の効果は、短期的なものではなく、都市再生特別地区の活用により特別の容率等が定められ

た建築物の存続予定期間等を慮して、協定の締結等により一定期間以上継続的に維持され得る

と認められるものであることに留意が必要である。その祭、地区外の環境貢献については当該貢

献の効果の継続性に資するような都市計画(特別緑地保全地区、伝統的建造物群保存地区等)を

併せて定めることが望ましい。

(35)

特別緑地保全地区

都市緑地法に基づく特別緑地保全地区は、都市の良好な自然環境を形成している緑地を

市町村(一定規模以上の場合は都道府県)が都市計画に定め、開発行為等の一定の行為を

規制することにより、現状凍結的に保全する制度であり、都市の緑地を保全するうえで極

めて効果的な制度である。

特別緑地保全地区の指定は、土地所有者にとって以下のようなメリットがある。

<特別緑地保全地区指定のメリット>

・税制優遇措置(相続税評価の 8 割減、固定資産税の最大 1/2 までの減免)

・土地の買入れの申し出が可能(譲渡所得には 2,000 万円の控除が適用)

・管理協定制度※1

の併用による管理の負担軽減

・市民緑地制度※2

の併用による地域の自然とのふれあいの場としての活用

※1

管理協定制度:土地所有者と市町村等が協定を結び、土地所有者に代わり緑地の管理を行う制度

※2

市民緑地制度:土地所有者と市町村等が契約を締結し、緑地や緑化施設を公開する制度

図表

都市緑地法抜粋(特別緑地保全地区)

本地区においては、産業振興地区に残る斜面緑地を活用した公園緑地や、宇地泊川沿いの

自然植生を活用した緑地について、本制度の適用の可能性が考えられる。

第三章

緑地保全地域等

第二節

特別緑地保全地区

(特別緑地保全地区に関する都市計画)

第十二条

都市計画区域内の緑地で次の各号のいずれかに該当する土地の区域については、都

市計画に特別緑地保全地区を定めることができる。

無秩序な市街地化の防止、公害又は災害の防止等のため必要な遮断地帯、緩衝地帯又は

避難地帯として適切な位置、規模及び形態を有するもの

神社、寺院等の建造物、遺跡等と一体となつて、又は伝承若しくは風俗慣習と結びついて当

該地域において伝統的又は文化的意義を有するもの

次のいずれかに該当し、かつ、当該地域の住民の健全な生活環境を確保するため必要なも

風致又は景観が優れていること。

(36)

緑化地域制度

都市緑地法に基づく緑化地域制度は、緑が不足している市街地等において、市町村が都

市計画で緑化地域を定め、一定規模以上の建築物の新築や増築に対して、敷地面積の一定

割合以上の緑化を義務づける制度である。

緑化の義務づけの対象となるのは、原則として敷地面積が

1,000

㎡以上の建築である

が、市町村が条例で定めることにより、敷地面積を

300

㎡まで引き下げることが可能で

ある。

また、義務付けをする緑化率は、

(敷地面積×25%)または(1−建ぺい率−10%)の

内小さい方の数値が適用される(都市緑地法第 34 条)

緑化地域制度の事例としては、愛知県名古屋市が平成

20

10

月より市街化区域全域

において当該制度を導入し施行している。

図表

都市緑地法抜粋(緑化地域)

本地区においても、産業振興地区のみならず住宅地等において緑化地域制度導入の可能

性が考えられ、民有敷地内における一定量の緑地確保が期待される。

第四章

緑化地域等

第一節

緑化地域

(緑化地域に関する都市計画)

第三十四条

都市計画区域内の都市計画法第八条第一項第一号 に規定する用途地域が定めら

れた土地の区域のうち、良好な都市環境の形成に必要な緑地が不足し、建築物の敷地内におい

て緑化を推進する必要がある区域については、都市計画に、緑化地域を定めることができる。

緑化地域に関する都市計画には、都市計画法第八条第三項第一号 及び第三号 に掲げる事

項のほか、建築物の緑化施設(植栽、花壇その他の緑化のための施設及び敷地内の保全された

樹木並びにこれらに附属して設けられる園路、土留その他の施設(当該建築物の空地、屋上その

他の屋外に設けられるものに限る。)をいう。以下この章及び第七章において同じ。)の面積の敷

地面積に対する割合(以下「緑化率」という。)の最低限度を定めるものとする。

前項の都市計画において定める建築物の緑化率の最低限度は、次の各号に掲げる数値のい

ずれをも超えてはならない。

十分の二・五

一から建築基準法 (昭和二十五年法律第二百一号)第五十三条第一項 の規定による建

築物の建ぺい率(同項 に規定する建ぺい率をいう。以下同じ。)の最高限度(高層住居誘導地

区(都市計画法第八条第一項第二号の四 に掲げる高層住居誘導地区をいい、建築物の建ぺ

い率の最高限度が定められているものに限る。次条において同じ。)、高度利用地区(同項第

三号 に掲げる高度利用地区をいう。以下同じ。)又は都市再生特別地区(同項第四号の二 に

掲げる都市再生特別地区をいう。以下同じ。)の区域内にあつては、これらの都市計画におい

(37)

都市利便増進協定

平成 23 年 4 月に都市再生特別措置法が改正され、

市町村と連携してまちづくりに取り

組む団体の位置づけの明確化(都市再生整備推進法人)や、官民連携によるまちづくりを

支援する制度等が新しくできた。これにより、民間主体にとってはまちづくりの取組を展

開しやすくなり、行政にとっては民間主体の取組によるにぎわいの創出や公共施設等の整

備・管理の負担軽減が期待される。

また、都市再生整備計画に官民連携によるまちづくりの取り組みを記載することで、官

民連携によるまちづくりに際して国の支援等を受けることが可能となる。

図表

都市再生整備計画の拡充(官民連携まちづくりの追加)

出典:官民連携まちづくりの進め方−都市再生特別措置法に基づく制度の活用手引き (国土交通省)

「都市利便増進協定」は、広場・街灯・並木など、住民や観光客等の利便を高め、まち

の賑わいや交流の創出に寄与する施設(都市利便増進施設)を個別に整備・管理するので

はなく、地域住民・まちづくり団体等の発意に基づき、施設等を利用したイベント等も実

施しながら一体的に整備・管理していくための新しい協定制度である。

(38)

図表

都市利便増進協定のイメージ

出典:官民連携まちづくりの進め方−都市再生特別措置法に基づく制度の活用手引き (国土交通省)

本地区においても、産業振興地区等において、都市利便増進協定による施行後の公園緑

地を創出するスキーム導入の可能性が考えられる、

その他(開発権取引等による都市緑地化の推進)

人口減少傾向にある我が国において、都市の土地利用効率を高めて緑地を生み出すこと

は、暮らしやすい都市空間の創出や自然再生の観点から重要である。しかし、都市緑地化

を推進するためには、既に開発した宅地を緑地に戻すことが必要であるが、現行制度下で

は緑地化の際に土地所有者に対するメリットがないこと等から、緑地化推進が難しい状況

である。

都市の緑地化を推進するための一つの手法として、

「開発権取引による都市緑地化の影

響」に関する研究・分析が行われている(奥田隆明・鈴木隆、

「,開発権取引による都市緑

地化の影響分析」2008 年土木学会)

一方、

海外では、

「開発を抑制すべき地域における土地所有者の利益を確保しつつ、

開発

をコントロールする手法」として、

「開発権移転制度(Transfer Development Rights:

TDR)

」が用いられており、アメリカやカナダ、メキシコ、ブラジル等をはじめとして、

1970 年代後半から導入されている。

また、開発事業による環境に対する影響を軽減するための保全行為であるミティゲーシ

ョンもアメリカやドイツで実施されており、開発に伴う緑地の喪失を抑制する施策がとら

れている。

(39)

官民連携手法の実現可能性の検討

前述で整理した「民間敷地により施行後公共施設機能(公園緑地)を確保する官民連携

手法」の内、再開発等促進区を定める地区計画、特別緑地保全制度、及び緑化地域制度を

活用して施行後の公共施設機能を民間敷地により創出する手法について、創出する施行後

公共施設機能(公園緑地)の規模を想定して負担軽減の度合いを検証する。

再開発等促進区を定める地区計画

本制 度による 公園緑地 の確保等 に関す る基準は ないが、 基本計 画で目指 す地区面 積の

20%程度を参考に、産業振興地区全体(約 70ha)の敷地面積の 20%程度の公園緑地を

民間敷地により確保することを想定する。

この場合、民間敷地で創出することができる公園緑地面積は約

14ha(=約

70ha×

20%)となり、基本計画と比較して公共減歩率は約 5%程度の減少が見込まれる。

しかし、前述のとおり、実際の事業フレームでは施行後の公共用地としての公園緑地面

積が減少するため、公的資金(公共施設管理者負担金)の減少分を保留地処分金で賄う必

要が生じることから、実質的な減歩率の減少はこれよりも抑えられることが予測される。

なお、14ha に相当する公園緑地は、

既存の植生が残る 2 か所の斜面緑地を活用した公

園緑地(次々頁の図の①及び②)の規模に相当する。

図表

施行前後の土地面積

(再開発等促進区を定める地区計画により施行後の公共施設機能を確保する場合)

区分

施行前(ha)

施行後(ha)

増減(ha)

公共用地

道路

13

59

公園緑地

0

41

公共用地計

13

100

87

宅地(保留地含む)

宅地計

261

174

地区全体

274

274

公共減歩率=87ha÷261ha×100≒34%

特別緑地保全地区

本地区には、斜面緑地部分及び小湾川沿いに既存の植生が残されており、これらを保全

するための公園緑地を計 3 か所(次々頁の図の①、②、④)計画している。そのため、当

該部分を特別緑地保全地区として民有地のまま保全することを想定する。

この場合、民間敷地で確保される公園緑地面積は約 16ha(前述 3 か所公園計画面積)

となり、基本計画と比較して公共減歩率は約 6%程度の減少が見込まれる。

(40)

図表

施行前後の土地面積

(特別緑地保全地区制度を活用して施行後の公共施設機能を確保する場合)

区分

施行前(ha)

施行後(ha)

増減(ha)

公共用地

道路

13

59

公園緑地

0

39

公共用地計

13

98

85

宅地(保留地含む)

宅地計

261

176

地区全体

274

274

公共減歩率=85ha÷261ha×100≒33%

緑化地域制度

緑化地域制度では、一定規模以上の建築物の新築や増築に対して敷地面積の一定割合以

上の緑化を義務づけるものであり、都市緑地法第

34

条の基準を参考に、産業振興地区全

体の敷地面積の 25%程度の公園緑地を民間敷地により確保することを想定する。

この場合、

民間敷地で確保される公園緑地面積は約 18ha

(=約 70ha×25%)

となり、

基本計画と比較して公共減歩率は約 7%程度の減少が見込まれる。

しかし、前述のとおり、実際の事業フレームでは施行後の公共用地としての公園緑地面

積が減少するため、公的資金(公共施設管理者負担金)の減少分を保留地処分金で賄う必

要が生じることから、実質的な減歩率の減少はこれよりも抑えられることが予測される。

なお、18ha に相当する公園緑地は、次頁の図の①∼④の規模に相当する。

図表

施行前後の土地面積

(緑化地域制度を活用して施行後の公共施設機能を確保する場合)

区分

施行前(ha)

施行後(ha)

増減(ha)

公共用地

道路

13

59

公園緑地

0

37

公共用地計

13

96

83

宅地(保留地含む)

宅地計

261

178

地区全体

274

274

(41)

図表

民間敷地での創出を想定する公共施設機能(公園緑地)

3)

事業初動期等における財源確保等に留意した官民連携手法

想定される官民連携手法のスキーム

土地区画整理事業による開発整備を行う場合、一般的に事業初動期から中期にかけての

財源確保が課題となる。これは、事業初動期から中期では、造成や基盤整備等にかかる集

中的な費用が発生することや、保留地処分金等の財源確保ができないことに起因する。

これらの課題を解消するため、事業初動期等において公共施設整備等に対して民間活力

を導入することが効果的であり、本地区においては、公園緑地の整備等に対する PFI 手法

や指定管理者制度など、民間事業者のインセンティブを活用した手法の導入が有効と考え

られる。

<PFI 等の民間活力の導入により期待される効果>

・良質低廉な公共サービスの提供

:民間の資金調達や経営、技術面でのノウハウを最大限活用することで、事業期間全体を

通した効率的で質の高い公共サービスをより安いコストで提供できる

・性能規定によるサービス水準の確保

:PFI

事業では、定期的なモニタリングによりサービス水準を確認し、契約通りの水準が

確保されていない場合は減額となることが一般的であり、安定したサービス水準の確保

図表  骨格道路の幾何構造一覧①
図表  骨格道路の幾何構造一覧②
図表  骨格道路の線形コントロール条件  急勾配区間 急勾配区間 急勾配区間急勾配区間 交差点間 280m 交差点間 280m 現況交差点 現況交差点現況交差点 現況交差点下水道施設 地区外民間施設現況交差点現況交差点計画済交差点計画済交差点
図  にぎわい・交流軸に沿った帯状公園の配置パターン  <A 案>  <B 案>  <C 案>  <D 案>  図  帯状公園のイメージ(事例)
+7

参照

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①自宅の近所 ②赤羽駅周辺 ③王子駅周辺 ④田端駅周辺 ⑤駒込駅周辺 ⑥その他の浮間地域 ⑦その他の赤羽東地域 ⑧その他の赤羽西地域

また、同法第 13 条第 2 項の規定に基づく、本計画は、 「北区一般廃棄物処理基本計画 2020」や「北区食育推進計画」、

平成 14 年 6月 北区役所地球温暖化対策実行計画(第1次) 策定 平成 17 年 6月 第2次北区役所地球温暖化対策実行計画 策定 平成 20 年 3月 北区地球温暖化対策地域推進計画

平成25年3月1日 東京都北区長.. 第1章 第2章 第3 章 第4章 第5章 第6章 第7 章

本審議会では、平成 30 年9月 27 日に「

「北区基本計画

今年度第3期最終年である合志市地域福祉計画・活動計画の方針に基づき、地域共生社会の実現、及び